里親体験談 里親になって

里親になって
Nさん(養育里親)

私は、現在、主人と成人した3人の息子達、年の離れた5歳の娘と6人家族で、忙しくもあり賑やかな張りのある毎日を過ごしています。

3人の息子達が社会人となり、子どもの手が離れ、ホッとしたものの寂しさを感じ、「もう一度子育てがしたい」「子どもを抱っこしたい」「困っている子どもさんやお母さんの役に立ちたい」という思いで養育里親を希望しました。

回りの人達からは、「これから夫婦の時間がゆっくり楽しめるのに…」「なんで責任のあるしんどい思いをするの?」などの批判もありましたが、主人や息子達は、私の熱意に賛同してくれ里親研修、家族の面接などを終え、昨年の7月に念願の里親登録を完了することが出来ました。

登録が完了して2ヶ月後の9月に4歳になったばかりの女の子Mちゃんのお話を頂き現在に至りますので、その体験や経験、感じたことなどをお話させて頂きます。

相談所から電話があり、主人とワクワクドキドキでお話を伺いに行きました。Mちゃんの背景から長期の養育が必要な事や情緒不安定な面があり、発達にも少し遅れがある事、熱性痙攣を度々起こし、体調面でも注意が必要な事などを聞いて、「本当に自分たちでやっていけるだろうか?」と期待よりも不安の方が大きくなってきました。

でも、相談所でお預かりしたMちゃんの写真を毎日見ているうちに情も湧いてきて「せっかくお話を頂いたのだから、これも何かの縁!」とMちゃんに会うのを楽しみにしていた様に思います。

施設で面会が出来るようになり、相談所の方と主人とMちゃんに会いに行きました。

初日は、男の人が苦手なので主人は、近づかない方が良いとの事で、私だけがMちゃんと関わり主人は、遠くから見ているだけにしました。

2日、3日と主人と二人で面会に行くうち、気持ちが少しづつほぐれて4日目には、我が家に初めてお泊りする事になりました。

帰りにMちゃんの好みのアンパンマングッズを色々と買い揃えて、自分の為の買い物、自分専用の物がある!ととっても喜びお泊まりも無事に出来ました。

その後もMちゃんの無理のない様にと施設の先生と相談しながら泊まる回数を徐々に増やしたりお出かけに行ったりして関係を深め一ヶ月後の10月に委託となりました。

研修で、“委託児童によくみられる行動”としてまずは、見せかけの時期があり、とってもお利口さんにして大人に気に入られようとし、次に試しの時期があり、過食・赤ちゃん返り・強い後追い・感情の爆発・大人の嫌がる行動を取り続けるそして、やっと信頼関係の成立と習いました。

正にその通りで、委託前後の1か月位は、いつでも私にコアラの様にくっついていて、トイレの中まで一緒でしたが、本当に大人しく、なんて育てやすい子なんだろう!なんて思っていました。その後は、徐々に私からも離れられるようになり、自分の要求を伝えようとしたり、我を出す場面も見られ、我が家にも慣れてきてくれたなぁ~と喜んでいたら、赤ちゃん返り・大人の嫌がる行動をとるなど何度か試し行動を繰り返している内に、いつの間にか遠慮なく言い合いの出来る親子関係が築けて来た様に思います。

馴染みのある施設の先生方やお友達と離れ、たった一人新しい生活に入るのだから私達大人が試されて当たり前なんだと思います。

今でもたまに赤ちゃん返りなどをする時もありますが、どんと受け止め、以前の様に気を遣う事もなくなってきました。注意すべきことは、注意をし、Mちゃんもそれを素直に受け止める事が少しずつ出来るようになってきています。

dit10-03

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