「共に育て育ち育つ」

Tさん(養育里親)

3年前に里親登録をして、今は二人の子どもと楽しく暮らしています。
 初めて一人目の子どもが委託されるときに「この子は本当に大変な子です。」と言われて、少し不安に感じたことを今は懐かしく思い出します。生まれてからずっと乳児院で育ったせいか、それまで見たことのない大人が食事をする姿や、それまで出会ったことのない小中学生や老人など、とにかく見慣れないものを見ては怖がり、怯え、外出する度に泣いていました。ところが、うちに来てからは180度性格が変わり、天真爛漫で明るく、人見知りもなく、誰とでもすぐに仲良くなれる子に変わっていきました。
このことを通して新米里親の私たちが最初に教えられたのは、大人は子どもに対して、つい「この子はこういう子だ」と決め付けたり、型にはめたりしてしまいがちですが、一時の様子だけでなく、あくまでもどこまでも子どもの無限の可能性を信じ、その都度、子どもの成長に寄り添い、共に喜んで、歩んであげることが里親の大きな役目ではないかなということでした。
 一日色んなことがあっても、見ず知らずだった二人の子どもが仲良く寄り添って寝入る姿を見ていると、心も体も健康で幸せに過ごしてくれているのかなとこちらも幸せな気持ちになります。
 また、子どもの成長と共に、私たち自身も「里親」として、常に子どもたちに育ててもらっているということを忘れてはいけないなと日々感じています。

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